(※本記事は金子裕昭直筆の撮影日記です。)
前回の撮影日記はこちら:(本人直筆)2018タンザニア撮影日記 ンドウッにて 7
○18/MAR/2018○
4時40分起床。
昨日の夕食から降り出した雨は、先程まで降り続いていた。
勿論、夕食中は虫がたくさん飛び交い、多分何匹かは私も食べてしまっている。
風も相当強かった様で、テントのペグも数本飛ばされていたので、
修理をして6時45分出発。
道は水浸しで、まるで田んぼ状態。
8時半、チーター母親と2頭の子供達。
とは言っても、子供達は既に生後1年位だろうか?
獲物を探しているようで、どんどん歩いて行く。
私達も後を追う。
10時。チーターの視線の先に、シマウマの親子。
少し間を置いて走り出し、シマウマの子供を狙ったが、失敗。
それから2時間が過ぎ、今度はグランツガゼルがやってきた。
これは難しいだろうと思っていると、
ゆっくり忍び寄り、走り出してすぐ、あっという間に捕らえてしまった。

30分程で食べ尽くしたところで、
1頭の迷子のヌーが、くつろぐチーター親子から約20m位の所を通り過ぎて行く。
チーターの子供はそれをじっと見ている……..
約100m程離れて行った所で、子供が忍び足で近付いて行き、
距離の詰まった所で追いかけ始めた。
気付いたヌーの子は、本能に任せて、逃げる、逃げる。
そして私達の車に向かって走って来る。
なんと、目の前で捕らえた!

静かな草原に、ヌーの子の断末魔の嘶きだけが響く……
チーターの子は、獲物を咥えて母親の所に持って行く。
「お母さん捕まえたよ」と言っている様だ。
この子供達も、そろそろ独り立ちの時がやって来たのだろう

夕方キャンプサイトに戻ると、水が尽きてしまった事が判明。
丁度雨が降り出したので、慌てて水の確保。
この雨水が、私達の命の水になるのだ。
(つづく)